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公費が使えるとき

結核や感染症など社会全体として予防や治療を行う必要のある病気や、身体障害者、児童など特に保護をする必要がある方などについては、特別な法律によって、医療費の全額や患者自己負担分を国や地方自治体が負担します。このような公費による負担が行われるときには、健康保険の給付と重複しないように調整がなされます。
一般的には、公費負担分よりも健康保険の給付のほうが優先し、患者の自己負担分に対して公費負担が行われます。
市区町村によっては、乳幼児医療費助成事業などを実施していることもありますが、こうした助成事業を受けている場合は、健康保険組合に申し出てください。

法律 対象となる方 負担
障害者自立支援法による
自立支援医療
(精神通院医療)
精神医療を必要とする通院患者 総医療費の10%
所得の低い方は限度額までの負担
障害者自立支援法による
自立支援医療(育成医療)
治療の必要な身体に障害のある児童(18歳未満) 総医療費の10%
所得の低い方は限度額までの負担
障害者自立支援法による
自立支援医療(更生医療)
身体障害者手帳を持っている18歳以上の方 総医療費の10%
所得の低い方は限度額までの負担
精神保健および精神障害者
福祉に関する法律
治療や保護のために措置入院した患者 自己負担する場合がある
公害健康被害の
補償等に関する法律
都道府県知事が認定した疾病にかかった患者 汚染原因側が全額負担
(患者負担なし)
感染症の予防及び
感染症の患者に対する
医療に関する法律
新感染症の患者
都道府県知事が厚生労働大臣の指導・助言を得て個別に応急対応する感染症または要件指定後一類感染症と同様に扱う感染症
健康保険が優先
(患者負担がある場合がある)
一類感染症(ペスト、エボラ出血熱など)
二類感染症(急性灰白髄炎、結核など)
健康保険が優先
(患者負担がある場合がある)
生活保護法 生活保護が必要な方 健康保険が優先
(患者負担なし)
母子保健法 入院が必要な未熟児 健康保険が優先
(患者負担がある場合がある)
原子爆弾被爆者に対する
援護に関する法律
原爆症患者 全額国費負担
一般診療を受ける原爆被爆者 健康保険が優先
(患者負担なし)
戦傷病者特別援護法 戦争による疾病にかかった患者 全額国費負担
一般診療を受ける戦傷病者 健康保険が優先
(患者負担なし)
特定疾患治療研究事業
(難病対策)
特定疾患のうち、スモン、プリオン病、難治性肝炎のうち劇症肝炎、重症急性膵炎の患者および日常生活に著しく支障があると認められる重症患者 健康保険が優先
(患者負担なし)
厚生労働大臣が指定した難病患者 健康保険が優先
[患者負担限度額は、同一医療機関ごとに、入院の場合14,000円/月、通院の場合1,000円/日]
(月2回まで)
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